そんなつもりじゃなかった

人生の難易度が高すぎる

新海誠 最新アニメ映画「君の名は。」を見てきた。

昨日、レイトショーで新海誠の最新映画、君の名は。を見てきました。以下はその感想です。ネタバレを多少含むから、心配な方は見ないほうがいいかも。

 

まず客層の女性率の高さに驚いた。女子高生あたりから20代前半くらいの子が多かったと思う。家族連れで見にきてる人たちもかなりいた。

新海誠の映画作品の特徴として、男女のすれ違いや背景の繊密な美麗さがあげられるけど、この作品もそれらのテイストは遺憾なく含まれていて、往来の新海作品ファンでも十分に楽しめるはずだ。

ただ、以前までと毛色が違うなって思う部分もとても多かった。すげぇ爽やかなんだよね、この映画。十代高校生の青春をこれでもかってほどに盛り込んでいた。だから僕のように高校生活が暗黒だったボーイズにはちょっとキツいかもしれない。例外無く僕も見ていて胸が別の意味で締め付けられた。

やはり多少は大衆を意識しているんだろう。メディアでも大々的に取り上げられてるし、これから彼の作品はこういった感じの、大きな層に向けて発信するような物が増えていくんじゃないかな。

 

都会に住む男子高校生と田舎に住む女子高生の主人公ふたりがある朝に目を覚ますと、身体が入れ替わっているところから物語は始まる。

とにかくヒロインの三葉が可愛くて、どうしようもなかった。入れ替わりモノではお約束のピンクな描写もあった。思うんだけどさ、ある日可愛い女の子と身体が入れ替わったら、当然揉むよね胸。そういう意味ではリアリティあるよ。

都会と田舎に住む思春期真っ盛りの男女が交互にそれぞれの慣れない土地での生活や周りを取り巻く人間関係に適応していくためにルールを決めて、お互い携帯やノートを使って連絡を取り合う。繋がりそうで、なかなか繋がらない二人の描写が最初は楽しめるんだけど、後半になるにつれて、それがどうにも切なかった。

三葉の住む糸守の雄大な自然を描いた背景描写が美しくて、思わず息をのんでしまう。

彗星が落ちてくるシーンなんて、シリアスな場面なのに絵が綺麗すぎて、高揚感すら覚えた。

ふたりは悲惨な未来を回避して、それぞれの時間軸に戻っていく、お互いの記憶も失ってどうすることもできなくなってしまった。お、ここから新海ワールド炸裂か? と思ったが、解かれたふたりの繋がりが再び結ばれていくような示唆を残して映画は終わった。

この映画内での重要なキーワードである「結び」というのを、なるほど、うまく表現している。「結び」でなくてはならないからこそ、最後また糸が交わるのだ。

 

個人的には大満足な内容でした。いつかまたBDでも出たら見直したい。

帰りに書店で小説も買ってしまった。新海さんの書く小説もなかなか好きなんだよなぁ。